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高森明勅
2017.3.26 00:00

小川榮太郎氏の「終身在位」批判

『月刊Hanada』5月号に文芸評論家の小川榮太郎氏の文章が
載っている。

題して
平川祐弘氏に反論する 譲位の制度化がなぜ必要なのか」。

同誌先月号に掲載された平川氏の“終身在位”論への批判だ。

興味深い内容なので、その一部を紹介する。

祈りや国民への寄り添いという『天皇の務め』
大切になさることは、『機能』や『能力』
の重視ではないでしょう」

「極論すれば、皇位を継ぐ存在が代々全員、植物人間状態で
全く『機能』
していなくとも、『存在』が継承されれば天皇伝統は
続いたか。
そんな馬鹿なことはない」

「歴代天皇の御一人御一人が、天皇という『務め』と
直面して来られた。
時代により、
個人によって違いますが、皆、自分の個性を通じて
『天皇の務め』
の本質は何かという問いと真摯に向き合って来られた。
通常の王朝史にはあり得ない、その『務め』への御努力が連綿と
続いたからこそ、『いてくださるだけで尊い』
天皇となられたので、
単なる血統のリレーションが続くだけで、
そんな魔法のような存在が
続いたはずがないではありませんか」

『御言葉』は次のように読むべきなのです。
陛下御自身が『
歴史を振り返』って見出だし、実践されてきた
天皇の『務め』の最も大切な部分を、『
社会の高齢化が進むなか、
天皇もまた高齢となった場合』
どう守るのがふさわしいのか、
私はずっと考えてきたところ、
明治に決められた摂政の制は
適切ではなく、
譲位の制度化を検討すべきではないかとの結論に
至った、
というふうに」

「現在のように、平均寿命が80歳を超える社会の出現は
全く突然なのです。
世襲の制度にとって、この平均寿命の倍増は、
根底的な制度設計の変更を要求するものだと考えるのは、
寧ろ当然ではないでしょうか」

現在の危機を簡単に図式化すれば、おそらく次のようになる。
終身在位→天皇の務めが不可能に→皇太子の摂政の長期化→
天皇不在の長期化→皇太子の即位年齢の高齢化→高齢即位→
早期の摂政→再び長期に及ぶ摂政時代→再び高齢即位…」

摂政時代には、国事行為も外交も謁見も、
天皇不在のまま摂政の資格で行い、日本の真の中心者は陰に隠れ、
あくまで天皇の代行者が日本の顔になるのです。
それが時に10年、20年続き得るわけです。
そして、
即位された時の天皇はすでに老齢である。
それで本当にいいのか」

「平川氏に限らず、保守派には、公務はお休みいただいて
宮中
で祈っていてくださればいい、というようなニュアンスの
議論が見られますが、
天皇の祈りというのはそんな気楽なものでは
ありません」

社会生活が困難なほど心身を損なわれ、摂政を置かれた天皇が、
祈りだけはできるなどということにはなりようがないでは
ありませ
んか」

「天皇の祈りを真に守るためにこそ、譲位を真面目に議すべきなのでは
ないでしょうか」

ー安倍政権はなお譲位を「例外的措置」
に押し留めようとしている。

余りにも非常識だろう。

付言すれば、皇太子の“高齢化”以前に「不在」になってしまう(!)
というのが、最も深刻な危機。

これについては別の議論を要する。

__________________________

「天皇の願いは叶ったか?」

平成29年4月9日(日)午後1時 から
福岡『リファレンスビル駅東ビル』 にて開催します。

「リファレンスビル駅東ビル」
(住所:福岡県福岡市博多区博多駅東1-16-14)は、
JRおよび福岡市営地下鉄
『博多駅』 の 筑紫口 より徒歩4分です。 

リファレンス会議室は博多駅周辺に3カ所あります。
九州ゴー宣道場の会場は「駅東ビル」です。
お間違えないよう、ご注意ください。


リファレンスビルのHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

いよいよ「九州ゴー宣道場」
4月9日(日曜)
13時から開催する。
テーマは『天皇の願いは叶ったか?』とする。
自民党の思惑通りに進めば、4月には特例法の法案作りに
入っている。
民進党を始めとする野党が皇室典範改正を貫けば、
別の
展開が生まれている。

さらに森友学園スキャンダルの追及次第では、
安倍政権が
吹っ飛んでいる可能性がある。
石破茂氏に皇室典範改正を託すことになるか?
政界の動きと、『天皇論 平成29年』の反響も含めて
議論する「ゴー宣道場」になるだろう。

トップページ右側の博多にわかの面のバナーからも
状況を知ることができる。

参加希望者を募集する。

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

申し込みフォーム

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。

・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
・着信拒否サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが着信拒否の対象となっている
・ドメイン指定受信を利用していて、「gosen-dojo.com」のドメインが指定されていない
・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている

reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成29年3/29(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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